鳴子の木造保育施設の工事現場見学

大崎市鳴子に建設中の保育施設の現場見学に行ってきました。

設計監理は茨城県つくば市の「里山建築研究所」です。

壁を約3cmのスギの落とし込み板とする「板倉構法」が特徴的であり、日本中で利用時期を迎えているスギ資源を有効利用する建築構法として、日本各地に普及しています。

今回使用する木材は全て鳴子や栗駒などで伐採された地域材であり、シンボリックな丸太の柱は保育施設の関係者の所有林から提供されたものだそうです。木にしてみたら、建築材料となり子供たちを見守る第二の人生が始まるわけですね。

この保育施設は秋頃に完成するとのことです。地域と共に、これからどんな歴史を歩んでいくのか楽しみでなりません。

また、同じく鳴子にある「サスティナビレッジ鳴子」の見学もさせて頂きました。

サスティナビレッジ鳴子はアパート棟と、森林資源を熱エネルギーや電力に変換するエネルギー棟、管理棟などで構成されています。

それぞれの建物の構法はスギ資源を最大限に活かした板倉構法であり、建物で使用するエネルギーも森林資源から賄われ、まさに木だけで成立している建物といえます。

アパート棟には菜園スペースも隣接しており、一般的なアパートとは異なった暮らしが楽しめそうです。町に勤める方や、地域で林業に従事する方など、さまざまな方が暮らしているとのことです。

昨今ではウッドショックなどの難しい課題もありますが、地域によっては身の回りの森林資源を大いに活用できる場合もあるはずです。身の回りの資源から、環境にとっても人間にとっても好ましい建物を考えていくことが大事であると改めて感じさせられました。今後の卒業論文や卒業制作も、是非このような視点を持って取り組みましょう。

環境設計分野 栗原研究室

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