近代仙台研究会まちあるきルポ
大学院・デザイン工学専攻で学ぶ先輩たち(1)
令和6年度 大学院ライフデザイン学研究科デザイン工学専攻「社会価値と地域共創」より
by Yuta YAMAURA
片平キャンパスをたずねて
近代仙台研究会は、近代の仙台を中心とした建築、工芸、歴史、文化に対する 理解と研鑽を深める研究会を平成28年1月に立ち上げられた。 建築から人物、野球など、様々な知識を持つ方々によって行われる「まちあるき」 は、開催されるたびに多くの視点から土地に根ざした会話が聴こえる。
写真1 東北学院大学土樋キャンパス礼拝堂前
2024 年6月8日の市内ミニまちあるきと、7月7日の水沢まちあるきに参加した。 市内ミニまちあるきは斎藤広道氏の案内で東北学院大学土樋キャンパスから東北 大学片平キャンパス内を歩き、現在も使われている国指定の文化財など様々な建物を見学した。
写真2 東北学院大学土樋キャンパス本館
写真3 東北大学片平キャンパス会計大学院研究棟
写真4 片平公園
この日は、野球の歴史に詳しい伊藤氏による、「野球の挨拶発祥の地」片平公園にて武道の精神である「礼に始まり礼に終わる」野球が全国に広がっていったこと を学び、幕を閉じた。
水沢の三賢人
2024 年7月7日に開催されたまちあるきは奥州市水沢にて行われた。水沢は高野長英・後藤新平・齋藤實「三偉人」を排出した地であり、他にも野球で活躍する大谷翔平選手の出身地である。
写真5 後藤新平記念館の様子
写真6 旧高野家住宅
三偉人に関する記念館に加えて、彼らが暮らしていた住宅が文化財として保存されている。私が特に着目したのは旧高野家住宅である。縁側が江戸時代から遺されているものである他、内部には文人趣味という意匠が施され、建具や天井が特徴的である。
写真7 水沢公園
近代仙台研究会のまちあるきは、様々な文化や歴史を学べるとともに、それらを記 録する建築についても見ることができる大変興味深い企画が行われており良い経験となった。これからも市内各地で行われるまちあるきにも参加したいと思う。